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転生したらスライムだった件を中心に、ドラクエ、エターナル・ラブ三生三世のコメント、感想など吐きます。
2015-01-10 (土) | 編集 |
クリスティーン上

ちょっと解説&コメント

スティーブン・キングのホラー小説、クリスティーン。
表紙を飾る赤の1958年型プリマス・フューリーの名前である。
アメリカン青春グラフィティーの側面も描いている。

ニキビ面のアーニー17歳は負け犬で、唯一車の整備が得意だった。
アーニーの友達で理解者のデニスは時間があれば彼と遊んでいた。

上巻では学園生活の中でアーニーが不良グループから受けたいじめを、
手に取るようにわかりやすく、描写している。
乱暴で、執拗で、ずる賢さいっぱいな”いじめ”は読者の怒りさえ誘う。

ワンピース、ドンキホーテ・ドフラミンゴに迫害されたドレスローザ住民のように、
或いはウルフガイの敵役、羽黒獰(はぐろどう)に徹底的に虐待された青鹿先生のように、
アーニーは踏みにじられ、蹂躙され、ナイフで殺されそうになる。
ここで友達のデニスは助けに入るが、多勢に無勢でボコボコにされてしまう。
不良グループとの喧嘩(?)は得てして負けの結末がほとんどだし、
現実社会ではやられっぱなし。不条理と嘆いても泣くしかないところが辛い。

こうして人の憎悪は膨らんでいき、ある日パチンと破裂する。
その舞台を着々と作り上げていってるのが上巻である。

そんなアーニーはボロいクリスティーンを見つけ、気に入ってしまい、手に入れる。
そしてアーニーは人が変わったように、大金をつぎ込みクリスティーンを整備してしまう。
そして元の持ち主のローランドが死んでから、少しづつ変事が起きる。
ローランドこそがある意味、主役になっていることが下巻で徐々に明らかになるのだが。
今はデニスだけが不気味さを肌で感じている。

上巻は登場人物やクリスティーンを手に入れる背景などを、詳細に描いている。
キング小説の特徴であり、感情移入がスムーズにできるようになっていると思う。
下巻のクリスティーン大暴走への布石なのだが、最初の犠牲者がでる。
誰も運転してないクリスティーンが不良グループの一人を、何度も何度も
轢き殺すシーンは恐怖と吐き気をもよおす位残酷だ。

ジョジョの奇妙な冒険、スターダスト・クルセーダーズにでてきた運命の車輪のように
残酷で執拗である。下の画がその運命の車輪というスタンドである。
こいつは壊されても復元するから怖いのだ。

ーーーーーーー運命の車輪

毒々しい血の色みたいな赤が、オドロオドロしい雰囲気を見る者に与える。
あの燻んだ色の車がいつの間にか、人の生気を吸って蘇ったように新しく、
傷ひとつなく、妖しく不気味に輝いている所にゾッとする。

ーーーーーーークリスティーン下

リー・キャボットは美人な転校生で、どういう訳かアーニーと付き合うようになる。
車の中で食べたハンバーガーが喉に詰まり、あやうく死にかかるが、
アーニーは有効な対処ができず、同乗者にハイムリック法で助けられる。
その時、クリスティーンの計器が猫の目のように変化し、リーを嘲笑ったように見えた。
リーはそれ以来クリスティーンに乗ることを拒否し、アーニーとも距離をおいた。

誰でも同じ反応をするでしょう。岬も乗らない。

不良グループは次々と残虐な殺され方をして、アーニーにはアリバイが全てある。
刑事や警察も調査を始めたが、もう少しというところで不慮の事故に遭い死ぬ。
クリスティーンはどんなに傷ついても、壊れても復元してしまう、
運命の車輪のように。向かうところ敵なしという言葉がピッッタリだ。

デニスはアーニーの契約書の署名から、今のアーニーは誰かに乗っ取られた別人と見破る。

遂にクリスティーンの魔の手がリーとデニスに伸びてくるのだった。
彼らがクリスティーンに挑んだ方法は大型バキュームカーで轢き潰すことだったが、
自動車工場の大きく広い作業上へ誘い込む必要があった、逃さないため。
しかし、クリスティーンはそんな計略を見抜いていた。

感想

無生物が意思を持って、人間に襲いかかることは例え小説でも怖い。
これを読んでいて思った事は、アメ車のクラシックカーには乗りたくないな、だった。

岬はワインレッドや赤などの色は好きだが、クリスティーン色は嫌いである。
それとどう違うの?と言われれば、色合い的に違いはないのだろう、たぶん・・・
しかし、違うのだ、本能的に第六感がそう叫んでいる。(笑)

キングは恐怖や憎悪、孤独や差別、暴力や仲間を日常生活の中で取り上げ、
それが一度狂い始めると、周囲にどんな災いをもたらすか描くのが上手い。
そしてほとんどの作品にハッピーエンドがないように思う。
人間社会の縮図のようなものだと、岬は思っているのだが、
このクリスティーンも例外ではなかった。

人間社会の不条理、無常さがたくさん描かれているのにも関わらず、
キングの筆致に魅せられて、ついつい読んでしまう。

お互い惹かれていたデニスとリー・キャボットには一緒に幸せになってねと、
声援を送っていたのだが、キングはそうさせてくれなかった。
そしてクリスティーンは・・・

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