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転生したらスライムだった件を中心に、ドラクエ、エターナル・ラブ三生三世のコメント、感想など吐きます。
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2014-05-31 (土) | 編集 |
         エンド・ゲーム
恩田陸の常野物語最終巻がこの本である。
読み終えて真っ先に浮かんだのが「昼ドラサスペンス」だ。
幸せな家庭生活が夫の突然の失踪で苦労の連続。

死んだものと思っていたが、ある日突然生存の可能性の知らせが
舞い込む。
そこから母子が父親探しの日々に変わって行くが、
母親が意識不明の状態になる。

不思議な現象や出来事が娘時子の行く先で起こる。

この一家は言わずと知れた常野一族であり、
父は一族最強と言われた「裏返し」の力を持つ。

母の意識を回復させるには、
常野一族のある人物の力が必要だった。

「洗濯屋」と呼ばれ、人の意識を真っ白に消してしまい、
新しい記憶を植え付ける力を持った男である。

そしてクライマックスに近づくと父と母の真の関係が
判明する。
一族同士の結婚は力を増幅するため禁じられていたが
愛するあまり禁を破ったと言っていたが実は
父が敵である母を裏返し、
一族の一員として娶ったのが真実と判る。

父の失踪の原因はそれを知られないようにするためだった。

作者は解説でSFサスペンスを書きたかったと言っている。
前の常野一族とは独立した形で書いたのでどの本から
読んでも良いとのこと。

「昼ドラサスペンス」と感じたのは強ち外れてないようだ。

今まで「裏返す」力が漠然として腑に落ちなかったが
ある程度形が見えてきたように思える。
相手の意識を180度変えてしまう力なのだと。

しかし敵とは誰なのだろうか?
本に寄れば「シダ」のような植物が生えていたり、
メタリックのような姿形をみせたりするらしい。

更に敵も似たような力を持ち、一瞬で裏返されたりもする。

味方は常野一族だが、敵はどんな勢力なのだろう?
本中では常野一族は全て力を失い相手の勢力になれば
もはや争いは無くなり幸せになると言っている。

「洗濯屋」はそれが狙いらしい。

このようなシナリオ・ストーリーはドラキュラや
惑星移住者で過去にあった。

自分のアイディンティーが失われ、
新しい生物として生きて行く幸せ。

仏教では全てに仏生がやどり、
全てはひとつという悟りがある。

と同時にあるがままで完全無欠という教えもある。

個を出しすぎると我が強いといわれ、
同調しすぎると隷従、服従だとそしられる。

年々生きにくい世の中になってきたと感じるのは
年のせいだろうか?
それとも敵の勢力が日増しに大きくなってるのか?

自分の力が日に日に弱まっているのだよ・・・

それを言っちゃお終いよ、
と寅さんが天国から言ってるかも知れない。(笑)

作者は常野物語はまだまだ続くと言っていたが
続きは出てましたっけ? 恩田陸先生!

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2014-05-06 (火) | 編集 |
          ルーズベルト
池井戸 潤が2012年に講談社から出した作品。
あの半沢直樹の著者である。
イメージセンサーの技術を持った青島製作所と社会人野球を
題材とした逆転につぐ逆転のドラマである。

ルーズベルト・ゲームの由来は32代USA大統領ルーズベルトが
「一番おもしろいゲームスコアは、8対7だ」と言ったことから
きているとのこと。

2008年リーマンショックの不景気で暗かった時期に、
読んで元気になってもらおうとして書いた小説らしいので、
読んだ後はまさしく明るくなれること請け合います。

中小企業の資金繰りの苦労、コスト削減の困難さ、
大手企業の理不尽な押しつけをしっかり描いているので
現実感たっぷりです。

ジャパニクス社からの大幅生産調整に加え、
大手ライバルのイツワ電気から特許訴訟をしかけられ、
白水銀行から融資を断られる。
頼みの綱は新型イメージセンサーの開発だが
開発部長の神山は石部金吉より慎重な人で
開発の前倒しに首を縦にふらない。

残された手段は大幅な人員整理(リストラ)しかない。
今やお荷物と化した野球部を廃部すれば年間3億円浮く。
細川社長は三上文夫総務部長(野球部長兼務)に
野球部廃部を命じる。

一方青島製作所の社会人野球チームは
監督の村野が主力2選手を引き抜いて、
ライバルのミツワ電器野球部に寝返ったことから衰退し
かつての栄光はなかった。

派遣社員の沖原 和也が高校時代将来を嘱望された投手だったが、
ある事件がきっかけで野球から遠ざかっていた。
その彼が新任大道監督に見いだされていく。
沖原は野村に引き抜かれた2選手より実力ははるかに上。

また大道監督は高校野球の監督で知名度はないが
実力(選手を見る目、起用法、人心掌握術など)は
野村の実績にひけを取らない設定なのだ。
小説の大道監督はTVのと雰囲気が違う。(お手本は森監督か?)

今TVでドラマ放送されていますが小説の方が
断然面白いと思います。
TVは原作をかなり脚色変更しているので、
ともすればお笑いみたいな演出になっています。

半沢直樹の売り(視聴率目当て)を2匹目のドジョウに
したい意図があるのでしょうから、仕方ない面はあるのでしょう。
しかし、それによって原作の自然さが弱められる点が
惜しいと思う。

青島会長と会長が抜擢した細川社長、そして
笹井専務の人間的な関係が最後に熱い感動を読者にもたらす。
笹井専務はイツワ電気へ寝返ると思われていたが・・・

最後は社員の熱い力が青島製作所を生き返させる。
企業は人なりの典型例でしょう。
大変面白い小説でした。(^v^)

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2014-05-01 (木) | 編集 |
蒲公英草紙
2008年5月25日第一刷 恩田陸 作品 常野物語続編です。
以前に光の帝国の感想をこちらに書きました。
よろしかったら見てくださいませ。(^-^)
光の帝国

時代は20世紀初頭、日露戦争を目前にした時期のようです。
場所は東北のとある農村、恐らく福島ではないかと思われる。
大地主の槇村家は村の人から慕われているが末娘の聡子様は
体が弱く家の外へ出られないでいた。

小作の娘峰子がが聡子様のお話し相手に選ばれ、
峰子が綴った日記の名前が蒲公英草紙なのである。
そんな訳で、この物語は峰子の視点で語られています。

今は失われてしまった田園風景が懐かしく描かれている。
そこに常野一族の春田一家が訪れる。
常野一族の一人が昔槇村家と関わりがあり、
その過去が明かされて行くと同時に、
何故春田一家が訪れたのか使命もはっきりしてくる。

常野一族の使命?そのひとつが病弱の聡子様によって、
彼女の献身?犠牲?慈愛・・・なんと言えばピッタリの言葉があるのか
筆舌に尽くせない崇高な精神が子供達を救った・・・

今の世にもまだこのような人達はいる。
岬はそう信じたい。
ニュースを見ていると自分さえ良ければ構わない人ばかり、
韓国旅客船の惨劇に目を覆うばかりだ。
聡子様のような人がいれば、とそう思わずにいられなかった。

解説に新井素子が執筆している。
彼女の小説もなかなか面白いものがあるのだ。
いつか感想を書いてみたいが、今回はこんなのがあった。

「山口百恵が引退する直前の頃、コンサート観客の顔がみな奇麗で
清潔で前向きで、自分の人生を恥じていないって顔なんです。」
「蒲公英草紙の登場人物は、多分みんな、そんな顔をしている。」
「いつの世も、新しいものは船の漕ぎ出す海原ににているように思います。」
「漕ぎ出していった、清潔で前向き、自分の人生を恥じてない人々が、
どこにたどり着いたか、それを思うと、とても切ない。」

私もとても切なく感じました。

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