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転生したらスライムだった件を中心に、ドラクエ、エターナル・ラブ三生三世のコメント、感想など吐きます。
2017-01-20 (金) | 編集 |
「蜜蜂と遠雷」

恩田陸さん直木賞受賞おめでとうございます。

「蜜蜂と遠雷」を読みたいな。

アマゾンはまだ販売しておりませんでした。

書店に並ぶ方が早いのかもしれませんね。

今日にでも書店に出向いてみます。

どんな作品か楽しみですね。

ニュースでは国際ピアノコンクールを舞台にした青春群像小説と言われてました。

とてもワクワクしています。



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2016-01-25 (月) | 編集 |
kureo.jpg

2014-09-06 MAZEの感想でいづれ書こうとした「クレオパトラの夢」の感想である。
MAZEがシリーズ第一弾となっているので、これはさしずめ第二弾になるのかもしれない。
CIA工作員みたいな神原恵弥に何故か興味が湧き書いてみたくなったのだ。

現役の俳優で言えばガクトと若い時の美輪明宏を足して二で割ったようなイメージがある。
非凡な才能を秘めたスタイルの良い色男・・・なーんて感じなのだ。

その彼が北国のH市を訪れた。
読んだ感じではこのH市、おそらく北海道の函館ではないかと思われる。
そう思って読むと風景や背景描写から、頷ける箇所がいくつも見つかる。
それも読む面白さの一つとも言える。

彼がH市を訪れたのは二つの目的がある。
一つは不倫相手を追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すため。

もう一つはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。

「クレオパトラ」って何? そんな推理をしながら小説は二転三転する。
妹に振り回されつつ、謎に迫っていく。

妹の和見は司法試験に3回で合格するほどの才媛なんですよね〜♪
非凡な恵弥との丁々発止の言い合いがこれまた面白い。(^^)

恩田陸の小説は面白いですね。
第三弾は「ブラックベルベット」みたいですのでBOOKOFFへ探しに行こうと思います。

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2015-08-14 (金) | 編集 |
ネクロポリス

お盆は祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事だが、
この小説のアナザーヒルは亡くなった人がお客さんとなり、
実態化して知人や家族と会える場所である。

突然別れの挨拶もなしにこの世を去ったら、残された人は辛すぎる。
そんな人たちは故人と交流するためアナザーヒルを目指す。
しかし、誰もが立ち入ることはできなく、許可を必要とする。

許可を得た面々がアナザーヒルに集まり、故人と再会を果たすはずが、
とんでもない事件に巻き込まれていく恩田陸のスリラー謎解き小説である。

上下巻からなり、読み応えがあり、推理小説好きにはたまらないかもしれない。
次から次と繰り出される事件に、アナザーヒルでの行動も制限される。

世の中を震撼させたシリアルキラーの血塗れジャックがアナザーヒルに紛れ込んだ。
血塗れジャックは誰なのか?
捕らえることはできるのか?
また、影と呼ばれる存在は何者なのか?

アナザーヒルを冒涜したものは精霊によって処罰される。
精霊の前では嘘は全て見破られ、死という高い代償を払わされる。
影も血塗れジャックも例外ではない。

そんな状況なのに血塗れジャックや影は未だ罰を逃れている。
今回のアナザーヒルはどこかおかしい・・・

登場人物も多彩で、夫を次々と亡くした未亡人の黒夫人
(ディズニー映画に出てくる魔女みたいな雰囲気がある)のいかにも怪しそうな振る舞い。

治外法権のようなアナザーヒルは警察すら立ち入りが簡単にできない。
ラインマンと呼ばれる土地の人が黒い犬を伴って警察の代わりに調査するのだが、
故人にあいにきた皆んなとは別行動をとる。
目は片方が茶色で、もう片方が深緑と変わっている謎の人なのだ。

ジョンは人類学の研究のため親戚のハナ、マリコ、リンデたちとやってきた。
ジョンを中心に描かれているので、彼がこの小説の主人公の役割を果たしている。

お盆の前に読んでおいて良かったと思っている。
こんな場所があるなら岬も是非一度行ってみたい。
もう一度両親に会ってみたいのだ。

会ったらなんて言われるだろうか?
幽霊や霊魂など信じない岬だが、この小説を読んだ後は考えを変えたくなりました。
親孝行子をできなかったことを許してくれるだろうか・・・

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2015-04-22 (水) | 編集 |
ドミノ

東京駅を中心に様々な人々がひとつの事件をきっかけに、
一本の糸に結び付けられたように、各々の人生ドラマとともに、
重なり合っていく。

小説の冒頭に、関係する人々の名前、職業、年齢や自己紹介文が記されているが、
28人と1匹のため、最初から全部頭に入れるのは、とても難しい。

関東生命八重洲支社の社員が5名、ピザーヤの店長1名、千葉県警1名、
大田区の小学生と母親3名、大手都銀社員1名、青年実業家と関連人2名、
ミステリーサークル3名、ホラー映画監督とアシスタント1名とペット1匹、
警視庁OB3名と筑波山で農業を営む俳句人1名、過激派まだらの紐3名、
TV朝田のキャスター1名。
この他に実際に登場する脇役は小説の中で多数いる。

いったい、どう絡んでくるのか好奇心がむくむくと湧いてくる。

まだ会ったことがない俳句仲間に会いに筑波の農民が東京駅の集合場所へ向かう。
東京駅は初めてで人が多く不案内なため、
キョロキョロしてる内に同じどらやの紙袋を取り間違えてしまう。

その紙袋は都銀OLをフった青年実業家を殺そうとして変装で着替えた服だった。
都銀OLが間違って持った袋は過激派まだらの紐の爆弾が入っていた。
まだらの紐は筑波の農民が取り違えたと思い込み、後を追う。
3人はここで偶然に出会い、紙袋を取り間違えてしまうんです。
それが様々な人へ連鎖していくのがドミノです。

一方関東生命の女子社員は先輩のおごりで、お菓子屋(どらや)で買ったケーキを持って、
支社へ帰る途中、東京駅にいた。

筑波の農民から紙袋を奪う瞬間を目撃した関東生命女子社員は、持ち前の正義感を発揮し、
まだらの紐を撃退し、奪った紙袋を取り返す。
しかし、まだらの紐には逃げられてしまう。

そして、その紙袋は、またまた筑波農民の物と取り違えてしまう。

その頃、東京駅近くで小学生達がエミーのオーデションを受けていた。
玲奈の母親は自分の娘のために、競争相手の麻里花に下剤入りのカルピスを飲ませる。
麻里花は腹痛で満足に芸もできない。
しかし、逆に落ちても構わない、言いたいことを言ってやると開き直り、
鬼気迫る迫真の演技を披露してしまう。

そんな折、外は天気が崩れ、雷が発生し、京葉線が止まってしまう。
関東生命の額賀義人(48)は今日中に契約書を支社に持って帰らないと、
支社の月間目標が達成できなくなってしまい、関東生命にも大きな痛手となる。
京葉線の電車から降り、支社へ電話すると支社の女子が出て、今から迎えを出すという。

この女子社員は元暴走族の頭をはっていて、会社には内緒だった。
もと暴走族の仲間で、今はピザーヤの店長をしている健児に助けを求め、
関東生命の額賀義人を専用の2000CCもあるかというオートバイで迎えに行く。
取り逃がした千葉県警は警視庁へ応援依頼し、
東京駅前を封鎖し大勢の警察官を緊急配備する。

カゴの中に入っていたイグアナのダリオ君は、カゴから抜け出し、
もっと暗くて湿気のある紙袋の中へ潜り込んでしまう。
その紙袋が、あの爆弾入りの袋なのである・・・
ダリオ君、どういう役目を果たすのかなー?(笑)

こんな風に、次から次といろんなドラマが進行していくのである。

ひとつひとつのドラマはシリアスなのだが、どこか滑稽であり、
思わず噴き出してしまう箇所が随所にある。
全国指名手配されたまだらの紐にしても、関東生命の女子社員に投げ飛ばされるシーンは
こりゃどうにも滑稽で爆笑物です。

ピザーヤの店長が宿敵の千葉県警の追跡を振り切るところは、
どっちを応援したいか読めばわかると思います。
ここではハッキリ言うつもりはありませんが・・・
個人的に日本のおまわりさんは大変ご苦労されていると思っています。
小説は小説ですから、はい。(^^;)

とても面白い小説でございました。

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2014-12-16 (火) | 編集 |
上と外上  上と外下

「両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。
中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。
密林と遺跡と軍事政権の国。
すぐさま四人はクーデーターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄弟が落下、
親子が離れ離れになる。
疲労困憊で彷徨う練と千華子の身に、異変が起こる・・・

・・・千華子を人質にとられた練は、
ニコと名乗る少年から危険なマヤの儀式への参加を強制された。
それは生死をかけて争う過酷なレース。
刻一刻と過ぎる時間。制限時間まで残りわずかーーーーーー。
しかし、その時国全体を揺るがすとんでもないことが起こった。
神は二人を見捨てるのか。
兄妹は再会できるのか。
そして家族は?」

二冊で1000ページ近くある読み応え十分な本です。
恩田陸さんは舞台になったグアテマラへ、小説を書いた後行ったとあとがきで述べてます。
小説家は想像の翼が大きいのですね。(^_^)はい。
岬も創作小説を書けそうな気がしてまいりました。(笑)

クーデターにより監禁された両親が(もう離婚してますけど)脱走するのですが、
うまく脱走して子供たちを探しに行くまでが一苦労なんですね。
ここらへんの描写が緊迫感があって良いと思います。

しかし、あの広大な緑の大地に飲み込まれた子供たちを一体どうやって探すのか、
考えただけでお先真っ暗です。ヘリコプターを手に入れ探すのですが・・・
一体どうやって・・・、本を読みながら、心配しいしいでした。

一方、子供達は大変なことになるしね。
千華子は高熱を出し動けなくなってしまうし。
夜は獰猛な獣がでるらしい。更に見知らぬ原住民らしき影に怯え通しだし。

子供達に迫る苦難は更に、更に降りかかり続けます。
恩田陸は読者をどこまで引き込む気ですか?と言いたくなりますね。
そして心細くなる二人の前に正体不明なニコが登場して、
危険な儀式を強要してくる。

どうなる、どうなる、どうなるの〜と一気に読んでしまいました。
彼女の小説はいつもこんな感じなので楽しくて仕方ありません。はい😊

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2014-12-02 (火) | 編集 |
                まひるの月
「まひるの 月を 追いかけて」
こんなタイトルは惹き付けられます。

「異母兄弟が奈良で消息を絶った。
たった二度しかあったことがない兄の彼女に誘われて、
私は研吾を捜す旅に出る。
早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香…。
旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。
それは真実なのか嘘なのか。
旅と物語の行き着く先は―。
恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。」

これは面白そうなので読んでみました。

主な登場人物は4人しかいない。
なのに400ページの密度の濃い小説になっている。
ここに登場人物を紹介しておきます。

静(しずか):会社員。教師の母がおり、父は既に亡くなっている。
優佳利と共に研吾を探す為、奈良を訪れる。研吾の異母兄弟。

渡部研吾(わたべ けんご):フリーライター。
静の父親と前妻との間の子供で、静とは異母兄妹の関係。

君原優佳利(きみはら ゆかり):会社員。
研吾の彼女であり高校時代の同級生。静との面識は二回しかない。

藤島妙子(ふじしま たえこ):主婦。研吾の高校時代の同級生。

物語は6つの章で構成されており、おとぎ話が挿入されている。
「時に臨みて作れる歌」の章の「愛のサーカス」が特に印象に残りました。
少し長いので要約します。

「海辺の小さな街に、サーカスがやってくるという噂が流れました。
しかし、やって来たのは団長と小さな男の子一人でした。
少年は、いつも一人で、寂しそうな顔で海を眺めています。

少年の姿は、見ている人の心をひどくかきむしるので、
人々は自分の持っているものを分け与えます。
リンゴ、花、歌など。

少年ははにかみながら小さく笑います。
その笑顔はとても美しくて、分け与えた者は心が洗われる気持ちになります。
けれど一人になると、その笑顔もしぼんでぽつんと海辺に佇むのでした。

人々は少年の淋しさを埋めてやりたい。
彼の輝くような笑顔を見たい。
そう誰もが思っていましたが、団長がそろそろ立ち去ると言い出しました。

人々はまだサーカスを見ていないと騒ぎだしました。
そこへ大きな木箱が登場し、中から小柄で痩せた女が出てきました。
少年の顔がパッと輝き、駆け出して広場の真ん中で二人はしっかりと抱き合います。
少年の母親なのです。

いつのまにか、広場に拍手と歓声が湧き起こっていました。
誰もが涙を流し、良い感動に浸っていて拍手は鳴り止みません。

そうです。
人々は自分の中に、可哀想な少年に対する無垢な愛を見ていたのでした。」

無垢の愛、無償の愛・・・もう何も言う言葉がありません。

そして章は「心の著しく所無き歌」「後れたる人の歌」「月を詠める歌」
「答ふる歌」「作者いまだ詳らかならざる歌」と続きます。
なんと叙情的な章でございますでしょうか。

奈良へ旅した静達は聖徳太子誕生の地、橘寺にたどり着きます。
こんな旅もいいよね〜、急にまた奈良へ行きたくなりました。
直に影響されてしまう岬でした。(笑)

あとがきに、
俳優であり映画監督の佐野史郎が興味深い解説をしていました。
「恩田作品は小説という形をとってはいるが、本質は”詩”ではないか?
だとしたら、他のミステリー作家との違いが明確になる気もする。」

恩田陸作品の本質が詩なら、岬が惹き付けられる理由が判ったような気がします。

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2014-11-13 (木) | 編集 |
           劫尽童女
劫尽童女(こうじんどうじょ):地獄の業火で焼き尽くす少女。そんな意味合いを持つタイトル。
お前は欧米か!・・・もとい、お前はキャリーか!(笑)
タイトルからスティーブン・キングのキャリーやファイアスターターを思い浮かべました。

しかし概説には秘密組織「ZOO」から逃亡した伊勢崎博士が超能力を与えた娘・遥と
再び戦いの中へ身を投じていくことにとあった。
スーパー・ヒロインの超能力冒険活劇のような小説という感じかなと思い読みました。

「ハンドラーと言われる黒ずくめの男が別荘のある林の中で相棒のアレキサンダーと
静かに待機して、伊勢崎博士の別荘を窺っていた。
アレキサンダーは特殊能力を持つシェパード。軍用犬にされる大型犬である。
遺伝子操作されており、非常に俊敏で知能が高く、嗅覚聴覚は増幅されている。」

超犬リープ(平井和正原作、桑田次郎画)より、フライング・ベン(手塚治虫)
に近い犬という印象です。

「ハンドラーが連れてきたのはアレキサンダーだけではなかった。
訓練された傭兵を複数連れて強襲の時が刻一刻と近づいていた。」

「しかし、始まる前に音も無く傭兵全員が鋭いナイフにより倒されてしまった。
唖然とするハンドラー、アレキサンダーにさえ気づかれないとは・・・」

12才の少女に一瞬にして倒されてしまったシーンを読んで、これはうむむむ・・・
と、恐怖より凄さを感じました。
まるで弓月光の「瞬きのソーニャ」なのです。
書いた年は「瞬きのソーニャ」の方が後ですから真似ではありません。ハイ(^^;)
           ソーニャ

「伊勢崎博士は死が迫っていたので遙にあることを託していた。
それが「すべて焼き尽くせ」ということだった。
自分で開発した遺伝子操作や超能力の研究をすべて葬りたいと考えていた。」

ZOOとは米軍と同等の指揮権を持った米軍傘下の組織という位置づけです。
伊勢崎博士も対抗する組織を作り上げ、
中盤当りでZOOの組織を壊滅的な状態に追い込んでしまいます。

ZOOの後を米軍が本格的に動き出します。
機動力的にも軍事力的にもそのパワーは巨大すぎて、
いくら特殊能力を持つ遥でも敵いません・・・・・・・

「12才の少女はどんどん成長していく、
好んだ訳ではないのに父親に超能力を与えられ、
自分の身を守るとはいえ殺戮を繰り返していく、
血塗られた我が身を呪い、
幸せに生きる事等到底出来る筈もないと考えるが、
成長は心に変化をもたらしていく。」

ここまで読むと遥が可哀想になり同情してしまう。
不幸の中にも幸せは必ずある。なんとか見つけて欲しいと願ってしまう。

「遥は自分と同じ境遇の少年と出会い、身内が他にいることを知る。
それに今やアレキサンダーは遥の相棒になっていた。
そのアレキサンダーに良く似た犬が人を襲っている。」

次々に現れる新事実や展開がこの冒険活劇を飽きさせない。
少女の葛藤は少女だけでなく読者にも矛盾を突きつける。
一方向からみたら選択肢は一つしか無いが、反対から見たらもうひとつある。
それが矛盾なのだが劫尽童女を読んで、それで良いと思いました。
苦しんで、苦しんで、苦しんだ後の選択は必ず良い成長をもたらす。

そう感じた小説でした。

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2014-09-11 (木) | 編集 |
          月の裏側
いつも見ている月の表側はわかるけど、裏側に何があるの?
SFと思って読んだが、これがホラーならマグマ大使もホラーになるの?
「アースが産んだ正義はマグマ、地球の平和を守るため・・・」
手塚治虫のマグマ大使はSFに間違いないと思っていたが、自信が揺らいできた。

舞台は九州の水郷都市箭納倉(やなくら)。実在の柳川がモデルらしい。
ここで三人が失踪した。消えたのはいづれも掘り割りに面した老女である。
しかし一週間位で戻ってきた。おまけに記憶を喪失したまま。

老女が失踪した時は誘拐や宇宙人によるアダプション、新興宗教による洗脳?、
と騒ぎもしたが、すぐに戻ってくると騒ぎもいつしか収まった。
しかし事件に興味を持った人もいた。元大学教授の協一郎である。

白い猫、白雨が咥えてきたのは人間の指に似ていたが時間が経つと変色し無くなった。
その出所を調査中に掘り割りから水の触手が伸びてきて教授達は襲われる。
やっとの思いで難を逃れた後に目にした者は水の中に眠る大勢の「人間もどき」

あのマグマ大使にでてきた地球侵略を目論んだゴアが送り込んだ「人間もどき」である。
こういうシチュエーションで使われるともはや立派なホラーである。
恩田先生はマグマ大使をホラーにしてしまったと言われても不思議はないだろう。

そして不気味なことに年寄りなら、人間から「人間もどき」に変わるまで一週間位だが、
若い人なら一日あれば変えてしまえる・・・という事なのだ。
それなら事件にもならず、人知れず入れ替わり可能ではないか?

しかも記憶喪失は失踪している間だけの事で、それ以外はすべて同じ記憶らしい。
変わる前と、変わった後に何の違いも無いのである。
もしかすると人類は既に殆ど入れ替わってしまっているかも知れない。
協一郎自身も入れ替わっていることに気づいてないだけかもと考えていた。

乗っ取りや入れ替わりは過去に映画でもたくさんあった。
例えばシャーリーズ・セロンとジョニー・ディップの「ノイズ」、
ウィリアム・フィクナーの「インベイジョン」などがあるが、
いづれも局地的だった。

読者にこんなことを思わせる恩田陸は怖い。

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2014-09-06 (土) | 編集 |
         MAZE.jpg
不思議な本だった。
ホラーかSFのジャンルに入るのか、ミステリーなのか陰謀サスペンスなのか、
あるいは全て包含してるのかも知れない。

<迷宮の迷路、謎に包まれた「場所」が存在するとの言い伝えがある。
そこは「存在しない場所」。
足を踏み入れて帰った者はいないと言われていたが一人だけ帰った者がいた。>

読み出したら止まらないのが恩田作品なのだが、これは更に上を行く。

<存在しない場所に夫婦の研究者がたどり着く。丘の上に白い四角い建物が見える。
まるで豆腐のような建物で、入り口がひとつ。中は迷路になっている。
二人はそこへ調査で入って行ったが夫が突然消失してしまう。>

妻は道に沿って出てきたのだが、入り口だった。
夫は帰らぬ人になってしまった。
はて、どんな秘密がこの迷路に隠されているのか?
しかし妻はその後病死してしまう。
関係者が人知れず死んでは困ります。( ̄▽ ̄;)!!ガーン

<ある日謎解きに神原恵弥と時枝満、白人のスコット、浅黒いセリムの四人が
白い建物の前にやってきた。ここで起きた事に関する情報を集められるだけ携えて。
どんな奇抜な発想でも構わない。条件はつけないが満の制約時間は1週間。>

四人のキャラ設定が面白い。
神原恵弥はCIAか軍に雇われた特殊工作員のような役回りで三人に指示をだすだけ。
時には場を盛り上げる。女言葉を使う優男みたいだが格闘は滅法強い。
いずれ感想を書くつもりだが「クレオパトラの夢」の主人公でもある。

時枝満は神原恵弥の友人。太ったオタクみたいな人物だが頭脳は優秀。
自由な発想力を持ち、謎解きの天才。
ある仮説を立てるが、そのことによって一気に迷路の謎解きが進展する。
俗に言うオタクパワーか?(笑)

スコットは警護役。三人の安全を護る。
銃を携帯し、外や中から(白い建物)の外敵に対抗する。
しかし得体の知れない外敵はスコットでも持て余した。

セリムはある国の重要人物。
なかなか正体を現さない。
キーパースンなので物語の進行上読者に疑問を持たせ続けている。
そこがまた好奇心を誘う。

<白い建物は人が消失するたびに、骨を栄養分にしているみたいに大きくなっていた。>

この時点で背筋が凍り付く。
ホラーの様相が色濃くでる場面だ。
セリムとスコットは死ぬ。
建物のせいで。
残された道は建物の最終的な解明しか無い。

<迷路の先には部屋があった。そこは上を向いてるのか、下を向いてるのか、
時が止まっているのか、素早く流れているのかわからなかった。
目の前を消失した人達が一瞬通り過ぎて行った。・・・>

これはまるで時の狭間に迷い込んだ探検者ではないか?
しかし作者ははっきりと解答を示さない。
読者が自分の考えでどう料理するかまるで向こうから見られている気持ちになった。
そう、読者はMAZEに迷い込んだのか?抜け出せたのか?
悠久の時間の流れを感じた瞬間でした。

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2014-06-21 (土) | 編集 |
ねじの回転

ねじの回転下
恩田陸渾身のSF小説だと思う。
二二六事件を土台にして歴史の変更を迫ったストーリー
仕立てになっている。

SFの中でもタイムトラベルを用いた趣向で、
ここでも恩田陸ワールドに見られる独特な、
それでいて判り易い用語が用いられている。

例えば過去へ行く事を「時間遡行」、時間を遡るといい
そこから時間を進める事を「再生」と言っている。
そして改変を「確定」作業と呼んでいる。

また過去の時間の中で動くための機械「懐中連絡機」
を携帯し、再生、確定できる許された時間を
正規残存時間と言う。

副題にFEBRUARY MOMENTとあるように、
二月の26日から29日の4日間の出来事である。

あらすじは・・・
偶然に出会った二人の研究者が時間遡行の発明を実現させた。
それにより人類が得たものも多くあったが、HIDSという
不治の病が大流行し、人類は滅亡の危機に陥った。

国連時間管理局は歴史の転換点を選び出し、
HIDS撲滅のため例外無き歴史改変を行う事にした。
管理局員をそれぞれ送り込んで「再生」「確定」
作業を図った。

日本は二二六事件が選ばれ、ジョン、ニック、アリス、
マツモト、アルベルトが送り込まれる。

しかし、予期せぬことが発生し、再生「不一致」になり
生きるべき人が死に、起きない筈の争いが(海軍と陸軍の衝突)
発生する。

すべては時間遡行システム、シンデレラがハッキングされた事が
原因なのだが、その裏側に日本を米国の州のひとつにしようとの
陰謀が裏に隠されていた。

更に悪い事にシンデレラの配線をネズミの被害から守るために
飼った猫から、この当時の日本にHIDSが散蒔かれてしまった。

もし決められた残存時間内に「不一致」無く確定出来ない場合、
時間遡行が発明される前に時間が遡行され、
出会う筈の二人は決して出会う事は無くされてしまう。

一方変更され進んだ未来では州のひとつにされた日本が
安定した社会活動が展開されていた・・・

コメント

果たしてこの時間遡行は成功しHIDSは撲滅されるのだろうか?
又はすべて無かったことにされるのだろうか?
あのハッキングした人は誰で、最後どうなるか?

読み出すと止まらない。
SFワールドがこれでもかと目の前で繰広げられる。

あのエンタープライズのジンディ戦を彷彿とさせる。
あれは400年未来から人類抹殺に未来のジンディが
介入するストーリーである。

これも未来の人類が過去に介入する物語である。

ただし、スティーブン・ホーキングの相対性量子論では
タイム・パラドクスとフィードバックの二つの問題が
解決されない限り過去への時間旅行は不可能らしい。

量子の世界は過去と未来が不規則に行き来しているらしい。
しかし、大きさとしてはマイクロンの世界の話なので
物体がその道を通り抜ける事ができない。

もしその道を大きくする技術が確立されたとしても
繋がった瞬間大きなエネルギーが瞬時に流入し合い
その道は焼き切れてしまうらしい。

今の技術や理論では過去への物体の時間旅行は
不可能との結論になっている。

そして未来の自分が過去に行き、自分を殺害したら
その殺害した人は誰になるのでしょうか?
過去の自分が死んだら、未来に自分は存在しない。
これがパラドクスの問題になっている。

はて・・・

しかしながら、本当に過去へ旅する事は出来ないのだろうか?
実際に起きた事を改変する事無く。

小生はこう考える。

人類は既にそれを手に入れている。
意識の中で過去へ遡ったり、
想像の翼をひろげれば未来へ行ったりしている。
(えっ、どこかで聞いたフレーズやな・・・^^;)

ついこの間懐かしくなり「高原へいらっしゃい」の
田宮二郎に会ってきました。

「昼下りの情事」でオードリーヘッブバーンに会ってきた。

「素晴らしき哉、人生!」でジェームス・スッチュワートとも
会ってきた。

そうです、これだって立派な時間遡行です・・・
ちゃうかな〜(笑)

次は意識が過去へ飛び、
苦悩する父母に、こんな僕でも
生まれてきて、生んでくれて良かった。
そしてありがとうを伝える小説の
感想を書いてみたい。

それは東野圭吾 の「時生」
感動しまくりです。(^o^)/


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2014-05-31 (土) | 編集 |
         エンド・ゲーム
恩田陸の常野物語最終巻がこの本である。
読み終えて真っ先に浮かんだのが「昼ドラサスペンス」だ。
幸せな家庭生活が夫の突然の失踪で苦労の連続。

死んだものと思っていたが、ある日突然生存の可能性の知らせが
舞い込む。
そこから母子が父親探しの日々に変わって行くが、
母親が意識不明の状態になる。

不思議な現象や出来事が娘時子の行く先で起こる。

この一家は言わずと知れた常野一族であり、
父は一族最強と言われた「裏返し」の力を持つ。

母の意識を回復させるには、
常野一族のある人物の力が必要だった。

「洗濯屋」と呼ばれ、人の意識を真っ白に消してしまい、
新しい記憶を植え付ける力を持った男である。

そしてクライマックスに近づくと父と母の真の関係が
判明する。
一族同士の結婚は力を増幅するため禁じられていたが
愛するあまり禁を破ったと言っていたが実は
父が敵である母を裏返し、
一族の一員として娶ったのが真実と判る。

父の失踪の原因はそれを知られないようにするためだった。

作者は解説でSFサスペンスを書きたかったと言っている。
前の常野一族とは独立した形で書いたのでどの本から
読んでも良いとのこと。

「昼ドラサスペンス」と感じたのは強ち外れてないようだ。

今まで「裏返す」力が漠然として腑に落ちなかったが
ある程度形が見えてきたように思える。
相手の意識を180度変えてしまう力なのだと。

しかし敵とは誰なのだろうか?
本に寄れば「シダ」のような植物が生えていたり、
メタリックのような姿形をみせたりするらしい。

更に敵も似たような力を持ち、一瞬で裏返されたりもする。

味方は常野一族だが、敵はどんな勢力なのだろう?
本中では常野一族は全て力を失い相手の勢力になれば
もはや争いは無くなり幸せになると言っている。

「洗濯屋」はそれが狙いらしい。

このようなシナリオ・ストーリーはドラキュラや
惑星移住者で過去にあった。

自分のアイディンティーが失われ、
新しい生物として生きて行く幸せ。

仏教では全てに仏生がやどり、
全てはひとつという悟りがある。

と同時にあるがままで完全無欠という教えもある。

個を出しすぎると我が強いといわれ、
同調しすぎると隷従、服従だとそしられる。

年々生きにくい世の中になってきたと感じるのは
年のせいだろうか?
それとも敵の勢力が日増しに大きくなってるのか?

自分の力が日に日に弱まっているのだよ・・・

それを言っちゃお終いよ、
と寅さんが天国から言ってるかも知れない。(笑)

作者は常野物語はまだまだ続くと言っていたが
続きは出てましたっけ? 恩田陸先生!

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2014-05-01 (木) | 編集 |
蒲公英草紙
2008年5月25日第一刷 恩田陸 作品 常野物語続編です。
以前に光の帝国の感想をこちらに書きました。
よろしかったら見てくださいませ。(^-^)
光の帝国

時代は20世紀初頭、日露戦争を目前にした時期のようです。
場所は東北のとある農村、恐らく福島ではないかと思われる。
大地主の槇村家は村の人から慕われているが末娘の聡子様は
体が弱く家の外へ出られないでいた。

小作の娘峰子がが聡子様のお話し相手に選ばれ、
峰子が綴った日記の名前が蒲公英草紙なのである。
そんな訳で、この物語は峰子の視点で語られています。

今は失われてしまった田園風景が懐かしく描かれている。
そこに常野一族の春田一家が訪れる。
常野一族の一人が昔槇村家と関わりがあり、
その過去が明かされて行くと同時に、
何故春田一家が訪れたのか使命もはっきりしてくる。

常野一族の使命?そのひとつが病弱の聡子様によって、
彼女の献身?犠牲?慈愛・・・なんと言えばピッタリの言葉があるのか
筆舌に尽くせない崇高な精神が子供達を救った・・・

今の世にもまだこのような人達はいる。
岬はそう信じたい。
ニュースを見ていると自分さえ良ければ構わない人ばかり、
韓国旅客船の惨劇に目を覆うばかりだ。
聡子様のような人がいれば、とそう思わずにいられなかった。

解説に新井素子が執筆している。
彼女の小説もなかなか面白いものがあるのだ。
いつか感想を書いてみたいが、今回はこんなのがあった。

「山口百恵が引退する直前の頃、コンサート観客の顔がみな奇麗で
清潔で前向きで、自分の人生を恥じていないって顔なんです。」
「蒲公英草紙の登場人物は、多分みんな、そんな顔をしている。」
「いつの世も、新しいものは船の漕ぎ出す海原ににているように思います。」
「漕ぎ出していった、清潔で前向き、自分の人生を恥じてない人々が、
どこにたどり着いたか、それを思うと、とても切ない。」

私もとても切なく感じました。

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2014-03-16 (日) | 編集 |
            小夜子
日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった小説です。
ジャンルはSF・ホラー・ファンタジーになっている。
SFとファンタジー(幻想的な)は厳格に違うが重なる所もあるので
このようなジャンルが出来たのかもしれない。

とある高校が物語の舞台になり、そこで三年に一度選ばれるサヨコを
中心に物語は進んでいく。
誰が作り始めたか知る人はいないが今年六番目のサヨコが始まる年。

サヨコに選ばれたものは選んだ者以外誰にも自分がサヨコと
悟られる事無くサヨコを演じなければならない。
もしやり遂げればそれがその一年の良き印であり、
その年のサヨコは勝ったと言える。

もし誰かに悟られた場合待ち受けるものは・・・

四月の始業式の日に六番目のサヨコは教室に
赤い花を生けたのであった。
それが開始の合図だった。

早くから読者へ誰がサヨコか暗示しているのに
津村小夜子が転校生としてやってくる。
そして彼女の回りに次々と不可思議な事件が起きる。
サヨコが二人いる?
そんな馬鹿なことがあり得るのだろうか?

そんな矢先選ばれた筈のサヨコが入院してリタイアしてしまう。
加藤 彰彦、その人である。
え?男がサヨコになれるの?
本当の六番目のサヨコは彼なのである。
誰にも悟られてはいけないサヨコはただ静観するしかなかった。

ここにも野犬が登場する。
しかも津村小夜子が不思議な力で操っているようにも見える。
かと思えば学園生活の生徒達の様子が生き生きと描かれていて
懐かしさも込み上げてくる。
私にも数々の思い出があの高校生活にあった。
ただ何事も無く過ごした生徒はどこにもいないだろう。
誰にもそれぞれの変化に満ちた生活があった筈だ。

学校という固定された特殊な空間と三年で巣立って行く
変化し続ける生徒達をサヨコという舞台設定を借りて
対照的に描きたかったのだろうか?

ドラマとしては面白いのだがテーマとして考えた場合、
作者は何を伝えたかったのかと考えてしまった。
長い間考えたがついに判らず、
思ったまま感想を書く事に決めました。

学園ものだが生徒のキャラクターに魅力があり
大人でも興味深く読める小説にしあがっていると思う。
恩田陸先生が子供っぽさを払拭しているからなのだ。

特に関根 秋や津村 沙世子に惹き付けられる。

そして佐野 美香子には嫌悪するかもしれない。

登場人物を少し紹介しておきます。

関根 秋(せきね しゅう)
写真部所属。高校3年生。
兄と姉がそれぞれ三番目のサヨコと
渡すだけのサヨコを経験しており、
以前からサヨコ伝説に関する知識を持っていたが、
自分は無関係だと思っていた。
加藤に鍵を託されてからも特に何をするということもなかったが、
次第に卒業アルバムを調べたり実行委員のマニュアルを見るなど、
積極的に調査をし始めた。
学力テストではコース別総合1位、
全国模試ではベスト30に入る秀才。

津村 沙世子(つむら さよこ)
秋のクラスに転入してきた謎の転校生。
男女関係なく、誰とでも対等に接する。
頭が良く、活発な美少女。
始業式の日に赤い花を飾り、
加藤に自分が六番目のサヨコだと仄めかした。
校庭外れにある事故死した女生徒の慰霊碑に
彫られた名前とは同姓同名、
余りにもタイミングが良すぎる編入に
多くのサヨコ伝説を知る生徒たちからは疑念の目を向けられていた。

赤い炎は関根 秋を飲み込もうとしていた・・・
そして津村 沙世子の転校の目的が明らかに・・・
始まりがあれば終わりがある・・・
サヨコも例外ではなかった。

永遠の高校生に贈る「六番目の小夜子」・・・なんちゃって。(汗)

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2014-01-20 (月) | 編集 |
              夜のピクニック
『小説新潮』にて2002年11月号から2004年5月号まで連載後、
2004年7月30日に新潮社から発売され、第2回本屋大賞、
第26回吉川英治文学新人賞を受賞した。
また、2004年度『本の雑誌』が選ぶノンジャンルベスト10では
1位に選ばれた。
2006年9月に新潮社文庫でも発売された。(WIKIより)

読み終えるのに少し時間がかかったけど、
途中から勢いがついて一気に読んでしまった。

全校生徒が24時間かけて80kmを歩く高校の伝統行事「歩行祭」に
3年生の甲田貴子達とクラスメイトの西脇融達の不自然な関係を
解きほぐして行くドラマと言えましょう。

たったこれだけの事なのだが内容はそんなに淡白なものでなく
よくぞこれだけ盛り込めたなと恩田先生に感服する次第です。

西脇融(にしわき とおる)と甲田貴子(こうだ たかこ)は
異母兄妹。
父の葬儀の時初めてそのことを知る。
それ以来、融は妾の子貴子を嫌い通している。

同じクラスになってから変によそよそしくしている事が、
周囲には逆に意識しているととられ、
恋愛感情を抱いてるのではと思われている。

一方貴子は卒業を前に少しでもそんな嫌な関係を
改善しておきたいと思っている。

その最後のチャンスがこの「歩行祭」の一夜だったのである。

戸田忍(とだ しのぶ)は融の親友。
以前に内堀亮子と付き合っていたが貴子のことがすき。

遊佐美和子(ゆさ みわこ)
貴子の親友で和菓子屋の娘。北高男子の憧れの的。

榊杏奈(さかき あんな)貴子と美和子の親友で帰国子女。
2人には好きな人のことを打ち明けないまま、
高校3年生になる春に再びアメリカへ行ってしまう。

後藤梨香(ごとう りか)融と貴子のクラスメイト。

梶谷千秋(かじたに ちあき)
融と貴子のクラスメイト。
国立大文系を目指すクラスに所属している。
戸田忍に対して密かに好きという感情を抱いている。

榊順弥(さかき じゅんや)杏奈の弟。
アメリカに住んでいるが、
わざわざ日本までやって来て歩行祭に飛び入りで参加する。
実は去年も来ていた。

高見光一郎(たかみ こういちろう)
融と貴子のクラスメイトでロックをこよなく愛する。
昼間は死んだように静かなので「ゾンビ」とあだ名される。

内堀亮子(うちぼり りょうこ)
美和子のクラスメイトで、戸田忍の元カノ。
校内で付き合った男子は数知れず。融のことを狙っているらしい。
超打算的女と忍に言われている。

読んでいると昔の事が思い出され、とても懐かしい気分になった。
どんな世代も悩みや問題は抱えているものです。
向き合っている彼らにいつしかエールを贈っていた。

例え小説とはいえ彼らの気持ちが伝わってくるようでした。
恩田陸先生はこういう所が実にうまいなと感心しきりです。

6番目の小夜子の感想も近く書いてみたいと思います。

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2013-11-13 (水) | 編集 |
       光の帝国

恩田陸の小説。
『小説すばる』で1994年12月号から1997年5月号まで全11回連載。
不思議な優しさと淡い悲しみに満ちた、
常野一族をめぐる連作短編集。

横山光輝のコミック「時の業者」を思い出します。
時の業者の出所は他の惑星からで、ハッキリしてますが
常野一族は謎です。

共に不思議な力を使うと言う点で相似性があることと、
SFという事に加え、人目を避け静かに暮らすという所が
似ています。

それ故この小説に強く惹かれた事と、読み終えて
ほわっとした暖かさとふっとした哀しさが
入り交じった読後感がありました。

不思議な力について、使い古しの超能力ではなく
作者は「しまう」、「虫干し」、「響く」、「裏返す」、
「裏返される」、「遠耳」、「草取り」などで
表現している。
その言葉は想像力を刺激して新鮮なSF感を醸し出します。

小説は10の短編で構成されていて、常野一族の
本来の目的、どこへ行こうとしているか、権力、
社会に翻弄されながら書き綴られている。

1、大きな引き出し(1994年12月号)
2、二つの茶碗(1995年3月号)
3、達磨山への道(1995年6月号)
4、オセロ・ゲーム(1995年7月号)
5、手紙(1995年9月号)
6、光の帝国(1995年12月号)
7、歴史の時間(1996年7月号)
8、草取り(1997年5月臨時増刊号)
9、黒い塔(1997年1月号・2月号)
10、国道を降りて…(1997年5月号)

2001年NHKテレビドラマになったようですが、
私は初めて知ったので一度も見ていません。
キャストを見ると再放送して欲しいですね。

春田 記実子 - 前田愛
春田 里子 - 檀ふみ
春田 貴世誌 - 小日向文世
春田 光紀 - 村上雄太
ツル先生 - 笹野高史
矢田部 薫 - 鈴木砂羽
倉沢 泰彦 - 中村勘太郎
遠耳 - 坂本朗
遠目 - 田中要次
志村 守 - 石丸謙二郎
高木 克也 - 辰巳琢郎
大畠先生 - 酒井敏也
医師 - 六角精児

この短編集で一番気に入ったのは光の帝国でした。
権力に利用されまいと必死に戦いますが、
血と涙と飢餓で最後は力つきてしまいます。
彼らの悲痛な叫び、訴えが胸にぐさりと
突き刺さります。

そして「国道を降りて」で彼らを待っている
場所、仲間との再会に、えも言われぬ暖かい
感動が用意されているのです。
それが二番目に気に入った短編でした。

他の短編もその2編にひけはとりません。
恩田陸の小説にはまっている岬でした。(*^-^*)

そうそう、登場人物に岬がいましたよ〜♪
どの短編に登場してるでしょうか?
あててみてくださいね。

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2013-06-13 (木) | 編集 |
       IMG_0588_convert_20130613051923.jpg
恩田陸著作「ライオンハート」を読んでつれづれなるままに感想を書いてみました。

先ずライオンハートの意味ですが「勇敢な心」を意味するらしい。他にはリチャード1世 (イングランド王)(獅子心王)のこととあった。 後で紹介しますがケイト・ブッシュの2枚目のアルバムもライオンハートでした。ついでにSMAPとあつしがライオンハートを歌っています。

この小説は裏書きにあるように「時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれる事は無い関係だけど、深く愛し合ってーー」という、タイムトラベルのラブストーリーである。小生タイムトラベルには目がない。ノスタルジー、望郷、ロマンス、切なさ、希望、冒険・・・様々な思いが、要素がその中に詰め込まれている。

スタートレックにもタイムトラベルを扱った作品がたくさんある。故郷への長い道はその中のひとつで気に入っている映画です。コミックでは「仁」が記憶に新しい。昔のTVドラマに「タイムトンネル」というのもありましたね。星野作品「遠い呼び声」は小生のランキングにおいてトップに位置しています。

さて、小説「ライオンハート」に戻ります。これはエドワードとエリザベスの時を越えたラブストーリーです。とは言っても「ロミオとジュリエット」のような直接的な身を焦がすような熱々のラブロマンスではない。会えそうで会えない黄昏時を〜♪という歌の一小節を思い出した。(笑) 巡り会うことに何故か人生の大半を使ってしまうような切なさを持っている。

それを端的に表している部分が「春」のパラグラフにあった。

「ついに、私のエリザベスに会う。老いてはいたが、やはり彼女は美しかった。そして理解した。

魂は全てを凌駕する。時はつねに我々の内側にある。

命は未来の果実であり、過去への葦船である。」

そして「記憶」のパラグラフでついに明かされる言葉・・・

「私たちはいつも出会う。時を超えて、場所を超えて。

その短いひとときのために自分の人生を生きて来たの」

小説は自分の世界を無限に広げてくれますし、実社会では味わえない事を疑似体験させてくれます。そんな所が小生の好奇心を刺激しているんだと思います。恩田陸小説結構ヤバい。(゜▽゜*)♪


小説の解説で紹介されていた曲、Kate Bush Oh England My Lionheartです。


あつしのライオンハートもよろしいようです。

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