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転生したらスライムだった件を中心に、ドラクエ、エターナル・ラブ三生三世のコメント、感想など吐きます。
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2015-01-17 (土) | 編集 |
謀略法廷上 謀略法廷下


何という事だろう。
こんな事があっていいものか。
読者は読後にみんなそう思うのではなかろうか。
ジョン・グリシャムにしては珍しい結末のように思う。

正義感が強く、責任感が人一倍強い人なら、とても許せることではないであろう。
しかし、一般社会では得てして金を持っている人達に、似たような仕打ちを、
知らず知らずに、受けているのかもしれない。

特に、ここに登場するような、自分の利益しか考えてない経営者ならば尚更である。
最近ニュースになった日本自動車のリコール問題や、その損害賠償支払い対応を見ると、
欠陥の是非はともかく、日本企業は結構誠実な対応をしていると感じてしまうものである。

さて、小説の内容はこうだ。

発ガン性物質を含んだ農薬を製造販売しているクレイン化学が、違法投棄し続け、
地域住民に多大な被害(死者、病気入院、生活困難 etc)を与えていた。

小規模なペイトン法律事務所はクレイン化学を相手取って、訴訟を起こし、
勝つまでに、あと何年もかかるだろうとしていた裁判にやっと勝訴した。
懲罰的賠償金も含め、約50億円の賠償を命じた判決だが、
びた一文払う気のないクレイン化学は上訴した。

小説はここから始まっている。
私財を投げ打ってきたペイトン氏は多額の借金を背負いこみ、いまや破産寸前である。
借り入れをしてきた銀行はペイトン勝訴にも関わらず、急に全額返済を迫ってきた。

一方、ペイトン法律事務所は別の訴訟で2億円の和解を果たし、
和解金を手にするはずだった。
それも突然和解を取り下げられ、上訴されてしまった。

いづれも背後にはクレイン化学のペイトン破産の謀略があった。
それはクレイン化学の反撃の開始で、真の狙いは最高裁判事の買収にあった。

最高裁判事の椅子をめぐり、1年以内に選挙があり、勝利する。
それがクレイン化学の最大の戦略(謀略なのだ)としていた。
クレイン化学やお抱え弁護士事務所の名前を一切ださず、選挙人候補や、
選挙対策などを請け負う人を雇い、全て任せた。

金に糸目はつけなかった。

対立候補を追い落とすためなら、誹謗中傷などなんでもやった。
咬ませ犬も立候補させ、現職判事の候補者を徹底的に貶めた。
真の候補者は民衆受けの良い、スマートで弁舌の立つ弁護士の男性だった。

そして、投票が行われ、クレイン化学が押す弁護士が当選し、
最高裁判事の椅子がクレイン化学の息のかかった者に占められることになった。

最高裁に上訴された訴訟は5対4で棄却され、全ての裁判は閉ざされてしまった。

正義は負けて、悪辣な金の亡者が勝ったのである。

ジョン・グリシャムは米国の司法の問題点を、フィクション小説によって、
こういう事もありうると、警鐘を鳴らしたものだと思う。

いつになく、やるせない気持ちになった次第である。

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2014-10-07 (火) | 編集 |
  大統領特赦上 大統領特赦下

久々のジョン・グリシャム小説を堪能致しました。
上巻の中盤過ぎあたりまでまったりとした流れで進みますが、
それ以降終わりまで目を離せない展開に引き込まれます。
御陰様でつい徹夜してしまいました。(汗;)

「選挙に敗北したモーガン大統領は最後の仕事として何名かの人に特赦を与えた。
その中にロビイストのフィクサーと言われた大物弁護士ジョエル・バックマンも入っていた。
CIA長官テディ・メイナードの口入れだったのですが、ある意図が隠されていたのです。」

バックマンが国の安全保障を脅かす罪で捕えられたのだが、部分部分しか明かされず
どんな罪を犯したか詳細が示されないので全体像が見えない。
だから主人公を欲しがる読者にとって、バックマンが肩入れする対象なのかどうか、
この段階で良くわからない。

中盤あたりまで読者は与えられた部分を繋ぎ合わせながらバックマンの罪を推測しつつ
展開を追いかけるので、人によってスピード感がないように感じたりすると思うが、
ストーリーを盛り上げていく手法と思えば、十分に面白い。

バックマンが牢屋に入る経緯は大体次のようなものでした。

「3人の優秀なパキスタン人学生は発見した人工衛星をハッキングし、
どの国の人工衛星よりも優れている事を知り、
プログラムを作りコントロールを奪ってしまった。
売れば大金になることから、代理人としてバックマンに話が持ち込まれる。」

「バックマンはパートナーのジェイシー・ハバートと売り込み先を見つけるため奔走するが、
その衛星が如何に危険なものか知る。
イスラエル、アラブ、中国、ロシアの諜報員が暗躍し始めパキスタン人学生3人が殺害され、
ジェイシー・ハバートも頭を撃たれ兄の墓の前で死体で発見される。」

「バックマンは衛星に関する機密情報漏洩の罪で検察から起訴されていたので、
身の危険を感じていた彼はあっさり罪を認め、
全ては自分一人で行った事で所属法律事務所は関係ない事を条件に入牢する。」

さて特赦後バックマンはマルコという名前でイタリアのボローニャに移ります。
特赦の条件は証人保護プログラムのようなもので、身を隠すというものでした。
劣悪な牢獄生活で瀕死の状態のバックマンにとって拒否する理由はどこにもない。

証人保護プログラムは米国映画でよく見かけるが日本にもあるのかな?と
おもいつつ先を急ぐ・・・(苦笑)

「ボローニャにとけ込むためイタリア語のハードなレッスンが始まる。
講師は最初エルマンノ(男性)だが、後に女性のフランチェスカに替わる。
めきめきと語学力をつけていくが、米国大統領が新しくなった時点で展開が変わる。」

ここでCIA長官メイナードのバックマン特赦の意図が明らかになる。

「メイナードは時がきたらバックマンの居所を明かし、どの国の諜報員が殺害するか
見るつもりだったが、新大統領によるバックマンの居所調査の強い要請に、
計画を早めざるを得なかった。」

新大統領はこの調査にFBI長官を使うのですが、CIA長官と対立する構図は米国らしさがでて
面白いです。 しかしFBIは国内の犯罪捜査はできますが、国外についてはCIAの管轄なので
自ずから活動は制限されます。それがバックマンに逃亡のチャンスを与える事になります。
この構図が無理無くバックマン逃亡への展開に入っていけます。

「冷たかった態度の語学講師のフランチェスカは足を挫いて動けない所をバックマンに助けられてから、打ち解けるようになり、彼の逃亡の手助けまでするようになる。新大統領の言う’特赦を金で買う’事はしていないとフランチェスカにはっきりと告げたからでした。
一方、ハバードを殺害したティンマンと言われる冷酷無比な中国の工作員が迫っていた。」

「(CIA監視役)ルイージや、その上司ホイッティカーを信じていないバックマンは、
彼らの監視をすり抜け、ボローニャで知り合った老教授を介して、
息子のニールと密かに連絡する手段を講じていた。」

アラブの諜報員、イスラエルのモサド、中国のティンマンから追われる理由が判ってきます。
そして今やFBIやCIAからも追われる身になってしまいました。
正に八方塞がりの中、逃亡と追跡のハラハラ、ドキドキの展開が繰広げられます。

パスポートは取り上げられ持っていないし、所持金も僅か。
写真は公表され追っ手に知られる身。
この小説で最も盛り上がるシーンと思います。

ここまで来るともうバックマンへの肩入れは規定路線みたいなものです。(笑)

「ボローニャからミラノまでバスで乗り継ぎ、
ミラノからドイツへ列車とタクシーで彼らを出し抜きまんまと逃げてしまいます。」

「預けていた金をドイツで引き出し、一転アメリカへ向かいます。」

逃げてるだけでは何も好転しません。最後にCIA、FBIに手を引かせ、
アラブとイスラエルを説得させる方法を見いだします。
しかし巨額の損失を出した中国だけが説得もなにもできぬまま残る事になります。

「ワシントン・ポスト紙の記者を呼び、スクープさせ、昔の友人の元上院議員を通し、
国防総省の切れ者ローランド少佐と取引を成功させる。」

「そして最後に取った彼の行動は、
金と欲しかなかった以前のバックマンとは程遠いものでした。」

小道具にスマホや無線LANなどがでてきて、作者のあとがきにハイテクに知識が無いと
言ってましたが、読む限りかなり詳しく書かれています。
本当なら相当勉強したのでしょう。
謙遜としか思えません。
アメリカ人にしては珍しいですね。(笑)

PS
アメリカの組織は全て大統領の指揮下にあるが各々独立している。
国防総省はペンタゴンと呼ばれ陸・海・空・海兵隊の四軍を傘下にし最大規模を誇っている。
霧の多い事からフォギー・ボトムズの異名を持ち、そこから派遣される工作員は恐れられた。
池上遼一のI・餓男(アイウエオボーイ)にフォギー・ボトムズからの刺客が登場する。
(漫画ですが・・・笑)

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