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転生したらスライムだった件を中心に、ドラクエ、エターナル・ラブ三生三世のコメント、感想など吐きます。
2013-10-16 (水) | 編集 |
ムーンリバーの
小林信彦著、1932(昭和7)年、東京・両国生まれ。
早稲田大学英文科卒業。
「ヒッチコック・マガジン」創刊から編集長を務めた後、
作家として独立。
主な作品は、「唐獅子株式会社」「ぼくたちの好きな戦争」
「イエスタデイ・ワンスモア」「ドリーム・ハウス」
「怪物がめざめる夜」「イーストサイド・ワルツ」。
「日本の喜劇人」(芸術選奨新人賞)など、エッセイも多数。

男は39歳、辛口で知られるコラムニスト。離婚歴有り。
東京・山の手に、今は独り住まい。
内省的な性格。性的な悩みを抱えている。
そんな男の前に現れたの女は27歳、
古めかしい言葉をさらりと使う。
六本木や西麻布の喧噪が苦手。
新潟の出身だと言うが、その挙動はいたって不可解・・・。
かくて、瀕死の巨大都市(東京)の光と影に彩られた、
物悲しくもユーモラスな恋愛潭が始まる。

感想
小説のタイトルが気に入って読んでみました。
ブックオフにブラーと行って好きな作者、
気に入ったタイトルがあると即買います。
時には失敗もありますが、それでも最後まで読みます。
折角買って本棚の肥やしになっては可哀想ですから。

さてこの本は当りでした。
鈴木俊一が都知事のときの都政を批判的に書いてる
小説と思います。
その筆致は毒づくのではなく東京に元から住んでいる
人の目線で見た都政の愚かさを描いているようです。
田舎者の私でさえ、彼の心情はわかります。

土地の精霊に(241P)こんな行がある。
「新宿から東京湾を貫いて千葉の木更津に達する
奇妙な(都市軸)は、
ある建築家がかなり昔に夢想したものなんだ。
発表されたのは1960年。
この都市計画は海外でも不評だった。
都市の拡張ではなく、都市の性質を変えると
批判された。
加速度的なメガロポリスは居住者を殺すとまで
言われた。」
「建築家の夢想に、当時の副知事、今の都知事(当時の鈴木さん)
が共感したのが問題だ。
夢想と妄想と権力が結びつくとどうなるかという見本だね。
丸の内の都庁を新宿に持って行き、臨海部の埋め立て
事業を始めた。
住んでいる人間の気持ち、意向は関係ない。
あるのは老都知事の妄執だけだ。
彼の考える(新しい東京)のプロパガンダとして
江戸東京博物館が作られた。
都民の税金をつかって、
自分の妄想と狂気の世界を実現させた。」
・・・とある。

今の東京を見れば小林信彦の言ってる事が
判ると思うのですが、どう感じたでしょうか?

一人の若い女性との出会いから始まり、
コラムニストが東京をPRする雑誌の編集長に
要請され、
彼の周辺は何故か慌ただしくなります。

一方、性的な悩みは解消する事も無く
病院通いが続く。
精神的なもので肉体的損傷は無いので
いつかは良くなると言われているのだが・・・
男としては焦るでしょうね。
しかし文中には悩みはあるが焦っているようには
見受けられない・・・?
半ば諦めているような書き方がふと男の悲しさが
垣間見えたような気がしました。(苦笑)

東京はどうやら山の手と下町に分かれるらしい。
が、その境界線はグレーで単純に線をひけない。
里佳が深川の向こう側に一度も行った事が無い
そう言っていたのに、川を越えアメリカへ旅発った・・・

男はいつも一人で何かと戦っている・・・
ムーンリバーの向こう側のティファニーに
理想の世界、理想の女性が待っているのだろうか・・・

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